欲望
体当たりでヒロインを演じた
板谷由夏の存在感がすべての映画。
原作は未読なので、
昭和50年代という時代設定を前提にしないと
理解できない部分もあった。
ヒロイン類子の行動はすごく共感できるのだけれど、
正巳はなぜああいう道を選んでしまったのか。
わかるようで、やっぱり本当のところはわからない。
ラストの朗読のシーン、
読み進むうちに気持ちが高ぶってきて
押さえられなくなる類子を見ながら、
私も大きく感情を揺さぶられた。
大森南朋を目当てに観に行ったのだが、
“既婚者の匂い”があまり感じられなくて残念。
★★★☆☆
SAW2
1作目は、2004年に観た映画ベスト1に選ぶほど、
衝撃を受けた作品だっただけに、
パート2には過剰な期待を抱かないようにしつつ、
公開初日に観に行ったのですが・・・。
(『CUBE2』のがっかり例もあることだし)
いや~なかなかよくできた続編じゃないですかー!
そのことにまずびっくりしましたね。
はっきりいって、1作目を観ずにこれだけ観たら、
★★☆☆☆がいいとこかもしれません。
しかし、
1作目を観ている人のみがわかる小ネタの数々、
1作目を観た人だけが陥るミスリード、
1作目を観ているにも関わらず、
またしても「やられた!」感の強い衝撃のラスト。
どれをとっても80点くらいはあげられる出来だと思います。
まあ“完成度”という意味では、
とても1作目には及びませんが、
前作から1年後の公開という短い製作期間のわりには、
よくここまでの脚本を作り上げたものだと思います。
欲を言えば、公開までに2年かかってもいいから、
もう少し脚本を練り上げて完成度を高めて欲しかった気もしますが。
パート3も作られるようなので、
今から楽しみです。
(1作目を観ている前提で)
★★★★☆
シン・シティ
よくここまでアメコミの雰囲気を映像化できたなぁ。
コミックを忠実に映像化したっていう点では凄いけど、
(台詞も構図も原作通りらしい)
1本の映画として観た場合には、
もう少しテンポ良くいってほしいところもあった。
バイオレンス描写のすさまじさ(ある意味ギャグ)に
引く人はいるだろうけど、
『キル・ビルVol.1』が好きな人は好きかも。
逆に言うと、あれがダメな人はダメだろうな。
映像的には一見の価値あり。
あとジェシカ・アルバのファンも必見。
ただし、爽快感はゼロ(笑)
★★★☆☆
ファンタスティックフォー
観終わった後の、この不完全燃焼感は、
いったい何なんだろう。
主役に華がない。
ストーリーにワクワクしない。
特殊効果の凄さしか売りがない。
「暇つぶしに映画でも観るか」という人のみに、
おすすめできる映画。
★☆☆☆☆
アイランド
細かいところに目をつぶる覚悟があるなら、
予想以上に楽しめる映画だと思う。
個人名ではなく、いまだに
“『アルマゲドン』 『パール・ハーバー』の監督”といった方が
通りが良いマイケル・ベイは、
私の嫌いな監督の一人であるが、
この映画に関しては、意外とイケる。
テーマがしっかりしていて、脚本が良いのと、
主演のユアン・マクレガー&スカーレット・ヨハンソンの演技が、
観客の共感を得られるだけの存在感を持って、
迫ってくるからだ。
「アクションシーンは派手だが、
そのシーンを見せたいためだけに、ストーリーがあるような映画で、
中身がない」というのが、
これまでに観たマイケル・ベイ作品の印象だった。
その“中身”が充実した結果、
監督お得意の派手なアクションが、
ストーリー上、必然性のある重要なシーンで炸裂し、
非常に見応えのあるものとなっている。
何だかんだいっても、
大金を注ぎ込んで、あれだけの映像が撮れるっていうのは、
他の監督には真似のできない、ひとつの才能でしょうね。
スター・ウォーズシリーズは1本も観ていないから、
「SWエピソード3」を観にいってもわかんない・・・
という人に、この夏オススメできる娯楽大作なら、
「宇宙戦争」よりも「アイランド」。
ラストはいかにも「ハリウッド的」で、
あまり好きじゃないんだけどね。
★★★★☆
Movie Baton
映画と落語関連の記事を中心に愛読している
mineokobさんのブログ から、
Movie Batonが回ってきました。
あれこれ考え出すとキリがないので、
現時点でぱっと思い浮かんだ作品を書いてみたいと思います。
質問1:所有している映画の本数
たぶん10本以内だと思います。
今、録画ができる機材を持っていないため、
メイキングやインタビュー目当てで買ったDVDだけが、
「所有している映画」ということになります。
そのうえ、基本的に映画は映画館で観る主義なので、
よほどじゃないとDVDも買わないです。
その「よほど」だった作品とは・・・
繰り返し観たくて買った
「アメリ」と「ラヴソング」と「アマデウス」
大森南朋を見ていたくて買った
「ヴァイブレータ」と「アイデン&ティティ」
メイキングに興味があった
「ディープ・ブルー」
質問2:最後に買ったDVD
「ディープ・ブルー」
確かに映像はすごい。
映画館で観るべきだったと、後悔しています。
質問3:最後に観た映画
「亡国のイージス」
そう悪くはなかったですが、
原作を読んでいないと、
登場人物の背景がわかりにくいのでは? と思いました。
質問4:よく観る。または特別な思い入れのある5本
私的衝撃度の大きかった作品を中心に選んでみました。
- ジェネオン エンタテインメント
- 田園に死す
中・高校生の頃、
近所の名画座によく行っていました。
これは、その映画館で「寺山修司特集」をやった時に、
上映されたものです。
時間と空間を自在に行き来する
(当時の私にとっては)斬新な演出と映像美。
特に、あの有名なラストシーンには度肝を抜かれました。
もし思春期に、この映画を観ていなかったら、
その後の人生は多少違ったものになっていたかもしれない。
そんなことをふと思うほど、影響を受けた作品です。
- ジェネオン エンタテインメント
- ツィゴイネルワイゼン
この映画も、「田園に死す」と同じ頃に同じ映画館で観ました。
「鈴木清順特集」で、『陽炎座』と同時期くらいに上映されたものです。
それまでは、
ストーリーがちゃんとあって、わかりやすい映画が好きな、
普通の高校生だった私ですが、
色彩の美しさや映像としての面白さで
「この映画は凄い!」と感激した記念すべき作品。
あれから一度も観ていませんが、
今観た方がより深く映画の世界を味わえるかもしれませんね。
- ジェネオン エンタテインメント
- 未来世紀ブラジル スペシャルエディション
これは公開時に映画館で観ました。
やはりラストシーンに呆然としてしまい、
テリー・ギリアムの名前を心に刻んだものです。
その後公開された彼の作品は、
(たぶん)すべて映画館で観ていますが、
この映画がいちばん好きかな。
最新作(?)の『ロスト・イン・ラ・マンチャ』には
かなり脱力(がっかり)しましたが。
- ポニーキャニオン
- マルホランド・ドライブ
実をいうと、
デイヴィッド・リンチの作品の中でいちばん好きなのは、
TVシリーズ『ツイン・ピークス』のファースト・シーズンなんです。
つまり、ローラ・パーマーを殺した犯人がわかるまで、の話ですね。
その後のセカンド・シーズンは、
まあ、また別の意味で楽しめますけど。
「ローラの日記(殺された女子高生の日記)」とか、
「クーパーは語る(クーパー捜査官の捜査記録)」とか、
「ツイン・ピークスの歩き方(舞台となった架空の町のガイドブック)」
など、関連図書もすべて買い、
近所のケーキ屋にチェリーパイを特別注文するほど、
ハマってました。
でも、今回は映画の中からということなので、
『ツイン・ピークス』に近い雰囲気を持った
『マルホランド・ドライブ』を挙げておきます。
最初観たときは、まったくわけがわからず、
わけがわからないなりに、
ものすごく魅力的な映画だと思ったものですが、
ここの解読 を読んで、
改めてその世界の虜になりました。
- コロムビアミュージックエンタテインメント
- ラブ・ソング
DVDを持っていることもあって、
いちばん繰り返し観た映画かもしれません。
『天使の涙』の殺し屋役だったレオン・ライが好きで、
彼が出ているからと軽い気持ちで観に行った作品が、
生涯で忘れられない一本になりました。
田舎に婚約者を残したまま都会に出てきた男性と、
都会に住む女性との、10年間に渡る恋物語。
お互いに恋愛感情を持ちながら、
なかなか“友達以上恋人未満”の関係から一歩を踏み出せない
レイキウ(マギー・チャン)とシウクワン(レオン・ライ)。
二人の距離が急接近する長回しのシーンでは、
どれだけ多くの女性が
「着せられて、脱がされたい」と思ったことでしょう(笑)
某有名ネズミキャラを見て号泣できるのも、
この映画くらいでしょうね。
全編を流れるテレサ・テンの名曲の数々も、
心に残ります。
質問5:バトンを渡す方々
私が愛読しているブログの中で、
個人的にMovie Batonの回答を読んでみたいと思っている
次の方々に託します。
①東京猫の散歩と昼寝 のTokyocatさん
ネット上の交流はないのに、一方的なお願いで申し訳ありません(^^;
鋭い着眼点と深い洞察力には、いつも感心しています。
Book、Reading、Musicalと
3本のBatonに回答していらっしゃいますが、
Movieはまだのようなので、ぜひ!
②備忘ログ のHyaruさん
スウィーツ関連の話題で、いつもお世話になっています。
③S' Interior Room のS'さん
福祉の視点から見た住環境に関するブログで、
いつも興味深く読んでいます。
しばらく更新されていないようなので、
お忙しいのかなと思いつつ、
気分転換にいかがでしょう。
というわけで、以上3名の方、
良かったらぜひ参加してみてください。
よろしくお願いします!
鶴の間~南キャンしずちゃんの回~
うれしそうでしたねー>鶴瓶さん
182cmあるというしずちゃんに上から見下ろされて、
「間近で見たら、けっこう可愛い・・・」
なんて言われて、顔真っ赤でしたやん。
その後も、
「今いちばん会いたい人」が
相方に来た喜びでノリノリでした。
実は南海キャンディーズの漫才って、
1回も見たことないんですよね。
相方の山ちゃんが
バラエティ番組に出てるのは見たことあるんだけども。
なもんで、動くしずちゃんとは初対面の私。
顔に似合わぬ低い声でぼそっとつぶやく“ひと言”の破壊力には、
ノックアウトされました
本日の私的ツボは、
「抱けますか?」(爆)
ええなあ、しずちゃん。
いっかい生で漫才見てみたい。
鶴の間~ボビー・オロゴンの回~
ある意味、過去最高に意外性のあるゲストでしたね。
相方を見た瞬間の鶴瓶の表情も、
「なんで、こいつが出んねん!」
といった感じでした。
そしてある意味、過去最高に
まったく展開が読めない組み合わせでしたが、
見事にオチましたね。
いや~素晴らしかった!
台本がないので、
相手の出方を探りつつ、空振りも多かった前半はともかく、
バラエティ番組での天然ボケキャラをふまえながら、
「漫才」におけるボケの役割を、話している間に理解して、
自らオチに向けての流れを作っていった“ボビ”のクレバーさには、
感心しました。
きちんとネタ合わせをして、ちゃんと漫才をやったら、
けっこう面白いコンビになるんじゃないかな。
今まで見た中では、
いちばん将来性のある(?)組み合わせだと思います。
宇宙戦争
音響の迫力を楽しみたい人、
子役の演技力に興味のある人、
にはオススメします。
そして、どうせ観るなら音響効果の優れた最新の映画館で。
テレビやDVDで観るくらいなら、いっそ観なくていい。
とさえ思える、「超大作」でした。
★☆☆☆☆
電車男
主人公に対してこんなに感情移入したのは、久しぶりです。
2chの原作を映画化、と聞いたときには、
正直、いかにもイロモノ企画って感じだなあと思いました。
「意外と良いらしいよ」という評判を聞いても
半信半疑だったのですが、
観に行って良かった!
電車男役の山田孝之くんは、
ほんとにこんな人なのでは? と思わせるほど、
アキバ系オタクになりきってましたね。
殻に閉じこもっていた冒頭から、
少しずつ自分に自信を持って変わっていくところ、
でも純粋な部分はずぅっと持ち続けている感じが、
すごく伝わってきました。
リアル・エルメスに似ているという
エルメス役の中谷美紀さんも、
自分の意思はしっかり持ちながら、
世俗にまみれていない上品な感じが良かった。
オタクと美女のラブストーリーって、
どこか無理な展開があるんじゃないかと思ってましたが、
不器用ながらも相手を想う気持ちをたくさん持っている電車男に、
惹かれていくエルメスが無理なく描かれていたと思います。
「あ、バカ! そこで逃げるんじゃな~い」
「そこっ! そこでもうひと押しするんだよっ!」
なんて、めいっぱい応援してしまいましたw
誰かを好きになるのは苦しい、とへこみまくる電車男に、
胸がぎゅうんとなってもらい泣き。
あと、あのポストイットね(^^)
まさか『電車男』観て泣くとは思わなかったな~。
メディアミックスを意識したラストにはちょっと引きましたが、
そこは観なかったことにして(^^;
今んとこ、今年の邦画ベスト1です。
★★★★★